琴線に触れる歌 | 旅することで自己を知る

琴線に触れる歌

ヨーロッパ旅行記が一段楽したので、少し旅行以外の趣味の話を。

私は大学で合唱のサークルに入っている。
そのサークルの演奏会が今週末行われる。
曲目は『水のいのち』という曲と『風のうた』『ラウダ・シオン』という曲である。
私は、練習時間の都合上、『水のいのち』という曲だけを歌う。

しかし、『風のうた』という曲が大好きだ。
もう少し練習できたなら、歌いたかったなと思う。
この曲の魅力はなんと表現したらよいのかわからない。
しかし、明らかに心の琴線に触れる曲というのはあって、それがこの曲なのである。

そんなこの曲を、先日後輩たちが演奏しているのを聴いた。
少し前に聴いたときには、ソプラノの声がか細かった。
でも、先日聴いたときには、芯のある声になっていた。
「風のうた るらら」ちょっと不思議な歌詞だが、
芯のある声で歌われると胸に迫るものがある。
そこに意思が宿るからだ。

ピアノも美しい。
昔、ショパンコンクールで優勝したポーランド人の方(お名前は忘れてしまった)が、ショパンは、ガラス玉をビロードのうえに散らすように演奏するようにしているとおっしゃっていた。
この曲も、またそんな演奏が似合う。
繊細な旋律・和音なのだ。
しかし、繊細なだけではなくて、強さもある。
その対比が力を生む。

春夏秋冬。『風のうた』は飾らない風の一生をさわやかに描いた名曲である。