2/3 ウィーン | 旅することで自己を知る

2/3 ウィーン

 どういう理由から即日でブタペストを発ったかは覚えていないが、とにかく駆け足で列車に乗って、ウィーンを目指した。
 20:00頃、ウィーン・中央駅に着く。通貨がユーロであること、ドイツ語圏であること、英語が使えること、全体的に雰囲気が都会的であることなどから妙に落ち着く。シティバンクのATMもあり、胸を撫で下ろす。レストランでは、スープとドライカレーを食す。久しぶりにきちんとした食事をとった気がした。それまでというもの、生活費の切り詰めのために、安価なフランスパンばかりを食べていた(笑)

 ユースは多少割高(16.5ユーロ)であったが、清潔であった。絵葉書のセンスもよく(私にとって重要。旅行に行くと必ず絵葉書を書くのである)、バスルームも広く、よい選択であった。ここで、今までの洋服を洗濯する。
 朝目覚めると、既に8:00であった。朝食の時間は8:00まで。もうだめかな、と思いつつも一応頼んでみる。すると、特別に了解していただけた。朝食は、普通のコンチネンタルであったが、ジャムが豊富。梅、さくらんぼ、バター、はちみつ。私は、バターとはちみつを使用。おいしかった。
 ウィーンでは、昨日に引き続き、シシイの軌跡を辿ることにポイントを置いた。まずは、シェーンブルン宮殿へ。シェーンブルンは、戴冠後のシシイ、つまりエリザベートの居城である。エリザベートとこの城の関係については、ブタペストに至る道中で本を読んでいたし、日本語のガイダンスもあったので、よくわかってよかった。ただし、ここはエリザベートの居城というよりは、マリアテレジアの居城である感が強かった。
 お昼はHotel Sacherへ。本家のザッハートルテをいただきに行く。

 私は、旅行にくると必ず一流のホテルでお茶をする。一流のホテルでのアフターヌーンティーは、往々にして非常にゆったりしている。私の旅行は基本的に駆け足であり、ゆっくりと物事を考える暇がない。そんな私の旅行において、ホテルでのお茶は、いろんなことを見つめ直すためのインターミッションとして、なくてはならないものなのである。

 次に、王宮へ。こちらではより身近にエリザベートを感じられた。本でみた調度品や衣服があった。ミュージアム・ショップでは、シシイがつけていたジュエリーのレプリカを購入した。真珠のネックレスとおそろいのピアスである。これらを実際に着用することはないだろう。しかし、憧れで購入してしまった。