2/1 ノイシュバンシュタイン城―住まいと人生 | 旅することで自己を知る

2/1 ノイシュバンシュタイン城―住まいと人生

 ミュンヘンで一休みしてからは、フッセンに行った。フッセンはかの有名なノイシュバンシュタイン城のある場所である。ノイシュバンシュタイン城とは、シンデレラ城のモデルとなった城である。少し辺鄙な場所にあったのが、ディズニーファンとしては外せない場所なので行ってきた。

 生でみたノイシュバンシュタイン城は、やはりシンデレラ城そのままの外観だった。なんてメルヘンティックなお城なのだろう・・・わかってはいたけれど、改めてそう思った。
 その後、中に入ってみると、やはりメルヘンティックな世界が広がっていた。天使の壁画、天蓋つきのこぶりのベッド、ろうそくを灯して使う金メッキのシャンデリア等々かわいらしかった。こんなところに住んでみたいなぁと思った。しかし、一方でここは本当に大人の住まいなの?と疑問にも思った。かわいらしすぎて、いい大人(しかも男の人)が住むには幼い雰囲気なのである。ヨーロッパのほかの地域の城をかんがみても、これほど幼い印象の城は珍しいと思った。

 しかし、ここにはここの歴史がある。なぜこのように幼い印象の城になったのか。そこには、主であるルートヴィッヒ王の数奇な運命が見え隠れしていた。ルートヴッヒは若干8歳?にして王である父親に先立たれた。その結果、彼は幼くしてバイエルンの王となってしまった。そして、たくさんの戦乱に巻き込まれてしまった。また、幼馴染であり、唯一の理解者だったシシィ(後述。後の皇妃エリザベート)とも離れ離れになってしまった。そして、彼は王としての自分の運命を呪い、あげくに精神を病んだそうだ。その代償として建設したのがこの城だったという。せめてユートピア的な城を作り、そこに住むことで気を紛らせようとしたのだという。こうした歴史を知ると、簡単に幼いと片付けてしまってはいけないなぁと思う。

 最後に、彼が非業の溺死を遂げたという湖に行ってみた。深い群青色をした湖の水面は、極寒のこの地で唯一暖かい太陽に照らされて、きらきらと白い光を放っていた。その光は神々しいまでに美しく、私はなんともいえない気持ちになった。